どうする ALS  

         59歳でALSと診断された。定年退職まで、あと8ヶ月の頃だった。 ALSとともに4年目に入った。 その間に呼吸器が付き、手足が動かなくなった。 これからどうするのか…  日々の感情や考えを綴っていきたい。

10話 回顧録6 : 看多機

車椅子生活に備えて、リフォームをすることにした。

主要な柱だけを残し、屋根も壁もすべて取り払う。
今流行のケルトンリフォームだ。

完成するまで、近くの賃貸マンションに移った。
室内は段差がなく、車椅子でも動きやすい。
ところが、トイレと浴室が狭い。介助者が一緒に入れない。


入浴は、看護小規模多機能型居宅介護(看多機)に通うことにした。
週2回スタッフが迎えにくる。裏の出入口まで車椅子で行く。
送迎車に乗るためには、3段の階段を降りなければいけない。


車椅子から立ち上がり、片手で手すり、もう片方で杖を突く。
スタッフにズボンの後ろを持たれ、階段を降りる。
怖い!
毎回、階段の昇降が怖かった。

俺を苦しめた、憎っくき階段

そこで、自作の「介助用腰ベルト」を考案した。
介助者もしっかり持てる。私も ”守られている感” を得られる。装着感も良い。
外出時には必ず装着した。
【腰ベルトを装着した動画作成を計画中】



さて、看多機の利用者は、私以外、60-70歳代はいない
80-90歳代の大先輩ばかりだ。

若僧が先輩方をかき分け、車椅子で奥に進む。
申し訳なく、気恥ずかしい。

風呂前にY看護婦がバイタルを測る。
毎回、私の坊主頭を見て ”毛が生えてますよ” といじる
成長が遅いだけ”と返す。

入浴後は、言葉の訓練。
表情筋を使って、目を大きく開いて
言わるまま誇張して、言葉を発する。
その表情を見て、Y看護婦がケラケラと笑う。
完全に遊ばれている。だが、そんな時間が楽しい。

お気に入りの看護師だ。

リフォームは12月下旬に完成する。ここへ来るのも、あと1ヶ月ほどだ。

ところが、突然行けなくなった。
入院したからだ。
その入院が、私の状態を大きく変えることになる。

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取ったぞー 
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