どうする ALS  

         59歳でALSと診断された。定年退職まで、あと8ヶ月の頃だった。 ALSとともに4年目に入った。 その間に呼吸器が付き、手足が動かなくなった。 これからどうするのか…  日々の感情や考えを綴っていきたい。

13話 笑える入浴

週2回、入浴サービスが来てくれる。ベットの横に浴槽を組み立て設置する。 呼吸器が幅を取り、部屋の引き戸と浴槽の間が狭い。最近、同じスタッフが来る。 2◯歳のT看護婦、50歳手前の女性ヘルパーCさん、70歳の浴槽係の男性N氏 三世代の年齢の差だ。ヘルパ…

12話 vs 訪問介護事業所

利用者と訪問介護事業所、どちらが優越的立場にあるか。 断然、訪問介護事業所だ。 ヘルパーの需要が多いから、強気だ。 パワーバランス 事業所が強い利用者とヘルパー。人と人の関係 どうしても、合わない場合がある。( お互いに) 生理的に合わない。 感覚…

11話 治験

6月13日付朝刊に、ALSの治験の記事が載った。京都大学IPS細胞研究所は、白血病治療薬(ボスチニブ)が、進行を一定抑制すると確認した、という内容だ。 この治験が始まることは、知っていた。参加したい。 病院のA先生に伝えた。A先生は、新聞に記載のある井上…

10話 回顧録6 : 看多機

車椅子生活に備えて、リフォームをすることにした。主要な柱だけを残し、屋根も壁もすべて取り払う。 今流行のスケルトンリフォームだ。完成するまで、近くの賃貸マンションに移った。 室内は段差がなく、車椅子でも動きやすい。 ところが、トイレと浴室が狭…

9話 おいかん

タイトルの「おいかん」は何か、分かりますか。ヒントは8話「浣腸の日」にある。 ???…浣腸液を注入したが、便の出が悪い。 そんな時に、追加で浣腸液を入れる。 2週間分の浣腸何気に発した(クチパク)言葉だ。最初は、看護師も補助のヘルパーも、何のこと…

8話 浣腸の日

今回は「うんち」の話だ。 汚い話だが、ご勘べんいただきたい。 そして、医療従事者にも知って欲しい。寝ながらの排便は難しい。 寝たきりになると、腹筋が弱くなり、力めない。私は週3回、浣腸と摘便で排便をコントロールしている。便が直腸に降りているか…

7話 回顧録5 : 最後の旅行

ラジカット治療の1クール目が終わり、退院した。家族で温泉に行きたい。前から願っていたことだ。 7月中旬、他県への人流制限が緩和された。 8月は長男の嫁が、二人目の子を出産する。この機会を逃したら、もう行けない。呼吸器を積み込み、携帯酸素を持って…

6話 回顧録4: 病院で還暦

ラジカット治療で入院をした。 満60歳になる月だ。 60年で一度の還暦の夕食は、一人ぼっちの病院食。 家で迎えていたら、普段より豪華だったと思う (実際は?だが) でもしかたない。いつも通り美味しくいただいた。調理員さん、ご馳走様でした。 還暦月は定…

5話 回顧録3:ラジカット点滴入院

定年退職月に、ラジカット点滴治療のため入院することになった。 入院中にCVポートと胃瘻造設を行う予定だ。 ラジカット点滴は、京大病院で進行を抑制する治療と聞いた。 だが、データでは著しい効果は?とも聞いた。 それでも、あとで「受けておけば良かっ…

4話 回顧録2 : 辛かった会社勤め

年が明け2022年1月、病院主治医A先生が「6月の定年退職まで頑張ろう」と目標を立てた。バス停まで僅か100m足らず、何度も立ち止まり、マスクを外し呼吸を整える。そんな通勤が続いた。杖を突かないと歩けなくなった。 遂には、自宅から会社までタクシーで通…

3話 紅葉 

部屋の窓から我が家の紅葉が見える。少し前までは、枝だけで寒々しかった。 4月中旬から一気に葉が開いた。「ぼうぼう」と表現できる程に暑苦しい。 ぼうぼうに葉が開いた植木屋さんに剪定に入ってもらった。 窓から作業の様子を眺められるが、職人からも私…

2話 回顧録1 : 発症

最初に「おかしいな」と身体の変調を感じたのは、呼吸と飲み込み、そして歩行だった。 コロナ禍でマスクを付けると呼吸が苦しい。飲み物をぐびぐび飲むと度々むせる。そして連続歩行がしんどかった。8月に耳鼻咽喉科で診てもらった。原因は分からない。近く…

1話 ブログ始める

Twitter(X)・Instagram・FacebookなどのSNS。 私には何がどうなのか、さっぱり分からない。SNSには疎い。 そんな私だが、ブログを始めることにした。変化のない毎日、楽しいことが見つからない。 このままでいいのだろうか?ALSになって苦しんで来たこと、日…