どうする ALS  

         59歳でALSと診断された。定年退職まで、あと8ヶ月の頃だった。 ALSとともに4年目に入った。 その間に呼吸器が付き、手足が動かなくなった。 これからどうするのか…  日々の感情や考えを綴っていきたい。

8話 浣腸の日

今回は「うんち」の話だ。
汚い話だが、ご勘べんいただきたい。
そして、医療従事者にも知って欲しい。

寝ながらの排便は難しい。
寝たきりになると、腹筋が弱くなり、力めない。

私は週3回、浣腸と摘便で排便をコントロールしている。

便が直腸に降りているか、看護師が指で探る。
浣腸は60ml、6割ほど注入する。そして直腸に追い出すように腹をソフトマッサージ。
ベットを少しギャッチアップする。重力も味方に付け、力む。

この間は、胃瘻の洗浄も、気切のガーゼ交換も、されたくない。
便に出すことに集中したいし、して欲しい。

「出そうや」ヘルパーに拳で、強く長く押してもらう。
便が肛門を通過した時は、気持ち良くほっとする。
だが、出ない時は、がっかりだ。

側臥位になって摘便が始まる。慣れたのか、痛くない。
指の動きは分かる。しかし、便が出ているか、どんな便なのか、まったく分からない。
摘便とは、そんな感じだ。(私の場合だが…)

残便感があれば、追加浣腸を行う。また同じ処置を繰り返す。

観賞したいカンチョウジ(管丁字)の綺麗な花、(ブバルディア)

浣腸の日は、朝から憂鬱だ。

処置が嫌なのではない。今日はしっかり出せるのか? それが心配なのだ。
便が出ないのは、本当に辛い。


ところで、1月19日が「浣腸の日」って、ご存知でしたか。
イチジク製薬が制定したんだって。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/303734?rct=what_day