どうする ALS  

         59歳でALSと診断された。定年退職まで、あと8ヶ月の頃だった。 ALSとともに4年目に入った。 その間に呼吸器が付き、手足が動かなくなった。 これからどうするのか…  日々の感情や考えを綴っていきたい。

5話 回顧録3:ラジカット点滴入院

定年退職月に、ラジカット点滴治療のため入院することになった。
入院中にCVポートと胃瘻造設を行う予定だ。
ラジカット点滴は、京大病院で進行を抑制する治療と聞いた。
だが、データでは著しい効果は?とも聞いた。
それでも、あとで「受けておけば良かった」と後悔したくなかった。

重たい話が続く、ちょっと一息、気持ちを落ち着けて

予期せぬことが判明した。

胃の前に腸がある。内視鏡での胃瘻造設ができない。

ALSだけでも不運と言える。その上、普通に造れないとは、どういうことか!
「俺が何をしたちゅうねん!」怒りと落胆は相当なものだった。

A先生、T師長、幼なじみMちゃんが、たびたび病室に来て励ましてくれた。
周囲に心配を掛けた。

胃瘻を造るには、腹腔鏡術で腸をよけて造るらしい。全身麻酔の手術だ
今の呼吸状態では、術後に呼吸器を外せる確率は、60%と言われた。
近い将来、胃瘻が必要になる。
どうする。 まだ、話すことも、食べることもできるのに。
60%に掛けるべきか
、決められない。

ラジカット治療の1クール目が終わった。その期間にSVポートは造れた。
結局、胃瘻は必要になった時に造ることにした。


紹介したい方。
A先生は、某総合病院の脳神経内科の偉い先生。 (2話・4話で記述)
T師長は、同病院患の看護師長。ちょっと厳しいが、とても面倒見がいい。
Mちゃんは、幼なじみで同病院スタッフ、A先生の事務仕事を担っている。